中学校を卒業して就職するまでの子ども時代、生きていくために大切なことは、この村ですべて学んだと思っています。
誰から教わったのかというと、当時はみんなが生きることに必死でしたからわざわざ教えてはくれません。一番の先生は、串間の自然でした。
毎日のように山の中を歩き回っていると、いろいろなことが見えてくるものです。
たとえば、木の根っこ。空にむかって伸びていく太い幹や枝葉を支え、地中にどっかりと腰を据えた様子を眺めていると「根っこにも頭脳があるのだな」と思えてきます。
土の中でどちらへ進めば水にありつけるのか、必要な栄養素はどこにあるか、細い根っこの先端が探り探りしながら無数に根を張り巡らしていく。大きな石があればそこに巻きついておくことで、風が吹いても倒れない支えにもなります。
伸びていく枝葉もそうです。山の中では多様な樹木が群生しているので、自分よりも南側に大木があれば太陽の光が届かないこともある。それでも「ではちょっと南側に」と動くわけにもいかないので、その場所でなんとか光を集めるように枝や葉っぱの向きを工夫するのです。
枝葉は、遠くの太陽を見つめながらぐんぐんと伸びる。根っこは、地中で根を張り巡らして地盤を固める。そこには、間違いなく戦略的思考があると感じていました。
もちろん、漢字の書けなかった小学生が難しい言葉を意識していたわけではありません。体感的に学んでいたのだと思います。
しかしながら、自然から学んだ生き抜くための戦略は、経営者となったいま、自分をおおいに支えてくれています。
会社経営の体制を「根っこワーク」と呼んでいるのも、そのひとつ。ツマガリは、若手スタッフやアルバイトの方たち一人ひとりの力で支えられているのです。
たとえば、焼きたてのクッキーをおいしいままに個包装する技術、ラッピングのリボンをきれいに結ぶ技術、専用駐車場に来られたお客様を安全にていねいに誘導する警備員さんの手さばき・・・。それらはもう、見ていて惚れ惚れするような高度な技術です。根っこを確実に支えるプロたちが集まっているから、お客様に喜んでいただける。だから、それを「根っこワーク」と呼んでいます。
しっかりと根っこが支えられているおかげで、経営者は太陽を見つめ、遠くを見ながら伸びていけるのです。
時には、「困ったなぁ、どう進むかな」と思うときがあっても、その場所でじっと動かず、自分の力で伸びていく木々の姿を思い出すと、いくらでも力が湧いてきます。
串間の山、海、渡っていく風。そのすべてがわたしの中でしっかりと根をおろし、生きていくうえで大きな力を与えてくれているのだなと、この歳になって思えてきました。
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0798-72-1846
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