ケーキハウス・ツマガリ:甲陽園のお菓子工房

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ツマガリ社長について

講演内容

オンリーワンを目指して-こだわりの経営戦略-「キーワードは人間味〜小さなお店の大きなブランド戦略」神戸市産業振興財団主催講演会

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Q:私は豆腐・こんにゃくの製造販売をしています。商品開発は大切だと思いますが、洋菓子の種類も沢山あって、なかなか商品開発は難しいと思うのですが、どのようなシチュエーションでいつ考えるのですか。

A:僕は神様のお陰で才覚を発見したんです。創意工夫や開発というのに長けてたんです。持って生まれたものなんですね。要するに好きなんです、考えるのが。たとえば、若い者に、今度、イチゴの生チョコをっくろうと言う。フリーズドライのいいやつないかと、あちこちに声をかけると、いい材料が集まるようになっているんですよ。どこかから引っ張ってきます。材料をみてイチゴを使ってつくって、これ美味しいなと思ったら「名前どうしましょう?」と言うから、「この材料に出会わなかったらできなかったんだから、<苺(一期)一会>にしなさい」と。

ネーミングは「ツマガリヘそ曲がり」というお菓子でもいいんです。柔らかく柔らかく、柔軟な発想をもってくると面白いんですよ。豆腐ですね・・・・極端に言うと豆腐にチーズをのせて焼いたらどうなるか。豆腐にイチゴの粉末が入ったらどうなるか。そういう極端な発想をするんですよ。異質な発想をすると面白いんです。

僕もエーデルワイスで商品研究所の所長もしていたんですが、8,000種類の開発をしました。もう気が狂いそうでした。毎日ノルマ3品。しまいに何をしたらいいのかわからなくなります。一番わかるのは販売したらわかるんです。工場の中にはいって商品開発しても生まれません。商品開発は研究所にいても生まれません。末端にいて初めて商品開発ができるんです。末端にこそ発見があるんです、現場です。工場でもだめです、売り場なんです。

特に異業種の売り場にヒントがあります。そこで異業種の食べ物を食べることです。この前も東京の中華料理屋さんに行ったとき、最後にデザートが出てきて、タピオカと小豆でつくったココナッツのデザートだったんです。これは美味いなと思うと、パッとインプットしました。中華風のつくり方はわからないけど、フランス風のつくり方はわかるから、ココナッツ仕入れとけと言いました。ココナッツの身を潰して、牛乳入れて炊いて、香りがしたらその汁を出して牛乳だけ残して実は捨てる。それにタピオカを入れて、ゆっくり炊いた北海道の小豆を混ぜて、ついでにマンゴーを入れたんです。あの「ココナップディング」は中華料理から生まれたんです。

中華料理から生まれることもあるし、洋菓子とは全然関係のないところに行って発見することもあります。お菓子に多方面にネットを被せておきます。それから、馬鹿なことをしても馬鹿にしないこと。なんでもかんでも食べる。

僕、昔感動したことがあるんです。アンテノールの社長をしていたとき、八王子の店にヒロタの創業者が社員に抱えられてやって来られたんです。80か90歳ぐらいだったと思います。そのとき試食のコーナーを設けていたんですが、感動しました。支えないと身体が倒れそうなのに、その試食の商品にさっと手がいくんです。その姿を見たとき、僕は感動した。その根性がすごい。

これが商品開発ですよ。「研究する会社、常に栄える」で、死ぬ寸前であろうが、人の商品を食べてやろうとするその根性は感動的ですね。やはり執念なんです。ただ、僕が喋っていることは正しいことじゃないから。僕は正しいと確信を持って喋ってませんから。

考えるとき、一人になるときは無性に不安にさいなまれます。でも、いざやるときは自信満々でやらないといけませんよ。悩んで苦しむけど、やるときに悲痛な顔をしてやったらだめです。やるときは自信満々でやらないと。そうすると五の力が七になるんです。しょぼくれたら五の力が三になる。エネルギーが抜けちゃうんですよ。パワーを内部から出さないとね。走って死んだらいいんですよ。

「元気」「覇気」「強気」というのは、見えないものですが大事です。その一方で「のん気」も大事なんですよ。「のん気」がないとストレスがたまって死んでしまいますからね。「覇気」があっても「のん気」がないとだめです。「強気」があっても「弱気」もないとだめです。強気だけだと、登りつめて切れますから。弱気というのも大事です。弱気になると優しくなります。「強くなくっちゃ生きていけない、優しくなくっちゃ人間じゃない」と言います。強気だけだったら人は寄りつきません。人間としての優しさがないと皆が寄りついてきません。威張りちらしていると皆が嫌がります。

Q:洋菓子の美味しい食べ方のようなものがあるのですか。

A:それは難しいことじゃなくて、お腹をすかせることです。お腹がすくと、人間の嗅覚が鋭くなりますから。胃を休めてお腹をすかせることですね。

僕が21の時に開発したチョコレート菓子で、毎日何十個と食べて、前歯が溶けそうになるぐらい食べたんです。あるときスキーに行って、食べ物がなかってお腹がすいて、何かないかなと探すと、自分のそのつくったチョコレート菓子がバッグに入っていたんです。それを食べると「おれはこんなに凄い菓子をつくったのか」と思ったぐらい実味しかったんです。匂いに敏感になってくる。だから、味見をするのは、純粋に素材の匂いがかぎ分けられるときでないとだめです。

「食べっぷりは売りっぷり」と言って、売りっぷりのいい奴は食べっぷりがいい。食べっぷりの悪い奴が、食べ物屋をしてもだめです。味覚というのは舌で味見するか、胃袋で味見するか。胃袋で味見をすれば間違いないでしょう。一つの品を沢山食べるということはいいことですが、やはりお腹をすかしているときが一番美味しいね。疲れているとき、甘いものが欲しくなりますが、一番いいですね。

僕は100%美味しいお菓子をつくっているとは思っていませんから。その自信はまだないです。自信満々ではいけません。カラ元気は出しますが。

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