ケーキハウス・ツマガリ:甲陽園のお菓子工房

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ツマガリ社長について

講演内容

「小さくてもキラリと光る店」松宮隆男著「甲陽園」より

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ムダのない会社は危ない会社、ムダのない会社は面白くない会社

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「ムダを排除して能率を高めよう」などと冷たい頭のコンサルタントが叫ぶ。彼らは商売を知らない。感動こそビジネスになることを知らない。ケチケチして、爪に火を灯すようなやり方でなければ商売が成り立たないのは、商品やサービスに特色がないからである。「ムダと見えるコトが、なぜ人の心を和ませているのか。潤いを与えているのか。人々に気晴らしの風を送っているのか。それがわからない経営者が多い。
そして、どれほど会社の“ツヤ”を消してきたことか。“ムダ”があってこそ、お客様の笑顔をつくり出せるのである。
津曲さんは、会社にはムダがなくてはいけないと言い切る.神戸大丸の“ツマガリ”の売り場は、大きな空間に大テーブルを置いて、京都の香り高いお茶をサービスする。

感動を呼ぶ“ムダ”こそ、その企業の顔である。

お客様が来て手が打てる、商品が売れて初めて手が打てる

津曲さんは、「とにかく商品が売れて初めて手がうてる。売れなければ採算を合わせる手も打てない。売れないような商品をつくっては、手は打てない。お客様に来ていただいて、初めて手が打てる。」と言う。
私の長い営業活動を振り返ってみると、会社が大きくなってからは、会社の都合、会社の採算性が先行し、まずお客様に来店していただくという発想が弱くなったと思う。
まず、お客様に大満足していただける品質と価格の商品っをつくって、その後に会社の都合や合理性を考える。そうすれば採算は合う.
今、多くの会社が「採算」「ムダの廃止」「リストラ」と、会社の都合だけを考えた合理化に取り組んでいる.それがかえって“客離れ”を起こしていると思えるのは、私だけだろうか。

「ツマガリ」は、手間暇かかる籠入りの贈り物を並べている。でも、店にはお客様がいっぱいである。

手のひらで値段を決める

津曲さんは、お菓子の値段を決めるとき、シュークリームなら、まず手のひらに乗せ、「お客様に喜んで買っていただけるのはいくらか?」と考え、「はい、150円」と即座に決める。
お客様の顔を見たこともない経営コンサルタントは、会社の原価計算システムが価格設定の第一の情報と考え、原価累積で価格設定をする。
大手流通企業の過去の業績や栄光が今日色あせてしまったのは、会社の都合で決めた価格が原因であるとも言えるだろう。

高度成長時代は、広告やイメージづくりで商品が売れた。しかし今日ではそれが通じない。冷静なお客様の、かつての大衆操作に対する仇討ちが始まっている。お客様をしっかり見つめない商品は売れないということである。

価格は、手のひらでお客様の顔を浮かべて決める。それが、売れるコツである。

8,000種類の商品開発をしたから、頭の中で試作ができる

津曲さんは、30数年の職人生活の中で、8,000種類も洋菓子の開発をしたそうだ。
「“ツマガリ”はなぜ売れるのか。専門家はいろいろ批判もする。しかし美味しくなければ売れるはずがない。」私は単純明快な話しだと思った.
津曲さんは洋菓子づくりに命を懸けて、開発の仕事を長年必死になってやってきた。
たぶん我を忘れるほど夢中になり、夜を徹して商品づくりに取り組んできたのだろう。その結果、原料を使って試作する前に、何種類もの試作品が頭の中でできるという。私の接した腕のいい開発者も、よく食べる人である前に頭のグルメであった。
数多くの失敗、そして数多くの成功が、素晴らしい美味しさを生み出す。
職人の“切れ味”は、頭の中に開発のシステムを持っているという強みから生まれるものなのである。

十数人も集まって長時間かける世の会社の開発会議は、何の特色もない商品開発に終始する。

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