ケーキハウス・ツマガリ:甲陽園のお菓子工房

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ツマガリ社長について

講演内容

「オンリーワンをめざして、小さなお店の大きなブランド戦略」2006年6月:明日を拓く企業の情報専門誌「ひょうご経済戦略6月号」より

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日々、いろいろなアイデアを試す

あるとき、お客さんから「贅沢な人がいて、荷を送ってもなかなか喜んでくれないから、何とかしてくれへんやろか」と言われたので、フラワーアレンジメントの横にお菓子を少し詰めて、その人にちなんだメッセージを添えて送りました。そうしたら、すごく喜んでくれたそうで、お花とお菓子を一緒に売るようにしたのです。
ダイレクトメールで手紙を出すと、毎日100万円以上の注文があります。早くからパソコンによる顧客管理に取り組んでいて、それぞれのお客様が何を買ったかわかるようになっています。だから、買いそうなお客様に絞ってダイレクトメールを流すと、30%から40%買ってくださいます。買って下さったらまたお手紙を送ります。どれだけ細かく行き届いたサービスができるかが非常に重要です。

いつだったか、楽天から出店のお願いが来たことがありますが、私は断りました。自分たちでやることが大切なんです。それで得られるものが多くあるわけです。ホームページでは自分がしゃべった内容をそのまま動画で見ることができるようにしています。自分の店を映画にして売るわけです。それを人が見るとまた広がっていきます。そうやって日々、いろいろなことを試すのです。

今、甲陽園のお店と神戸大丸と梅田大丸の売上げがそれぞれ10億、5億、5億で計20億円の売上げにまでなりましたが、そのうちの90%以上がギフトです。甲陽園というのは17坪の小さな店ですが、とてつもなく大きな店です。なぜなら、「甲陽園」というのはイメージがいいんです。小さくても世界のどこにも負けないノウハウと最高の商品と絶対に真似できないものを身につければお客様は買ってくださいます。

生きる知恵を学んだ幼少時代

10歳の頃に両親がおらんようになりまして、ばあさんに育ててもらいました。ばあさんには厳しさと愛情と、そして「働かざるもの飯食うべからず」という最高の教育を受けました。お金はゼロでしたから必死でした。朝5時に起きて、かまぼこ屋でアジの骨と身を手できれいにとって、残ったはらわたをもらってくるのです。それから、段々畑で作ったイモをでんぷん工場に持っていって、出てくるかすをまたもらってきます。それらを炊いて豚に食べさせたらお腹が膨れるんです。

山に行っては、山鳥をわなに仕掛けるんです。木のばねを使ってひもを引っ張るようにしてわなをつくると、何十羽も捕まえられるようになりました。川に行ったら、今度は網を流して、1カ月くらいすると巣を作ります。すると小魚やえびが釣れるんです。雨が降ったときにはそこへドジョウを投げるとウナギが面白いように釣れます。海では、満潮、干潮を利用して貝やらテングサ、ヒジキを採りました。お金がなくても知恵があれば生きていけるのです。

価値向上へのプライドこそがブランド

私はブランドとかにこだわっているわけではないし、ブランドという言葉の意味もよくわかっていません。ただ、お客様と作り手の間の価値観を共有したいという気持ち、真っ正直に価値観を上げたいという気持ちはあります。このプライドがブランドになるのかもしれません。正攻法で、真摯に、単純に、掛け値なしで、お天道様の見ていないところではなおさら商品に付加価値を付けるのです。そういうリーダーの下で働いている子たちは信じてついてきてくれます。だから、販売教育も要らないです。ハートが大事ということです。店の子たちも、あの人はこうしたら喜ぶだろうなと想像して、原材料はこうしたらおいしいだろうなと想像するんです。

いい会社になろうと思ったら経営者がいい素材でないといけません。私は、この世に方程式はないということを証明してみせたいのです。経営はだれのまねでもなく一人ひとりの人間性、生き様を表す場で。自己表現はそれぞれ違ってもいいのです。喜ばせる、プラス思考で考えるというように、発想を転換するだけでいいほうに進んでいくものなのです。

社員を持ったときに、この子たちの人生を立派に育てたいという思いを持ったリーダーかどうかが大切です。松下幸之助さんは、「私は会社を経営しているわけではない。社員をつくっている」と言われました。昔も今もそれは変らない価値です。人生なくして経営なし。建物はつぶれても人間がつぶれなかったら物はつくり続けられます。お菓子で成功することも大事ですが、ひとを立派にすることも最大の務めだと思っています。

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